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2001年度実施「日本機械学会流体工学部門に関する意識調査」集計結果

回答者数

 2001年10月の流体工学部門講演会(蔵王)で62名,さらにその後FAXで125名,合計187名の回答をいただき,内訳は次の通りである.部門登録者は7000名を超えるので,今回の結果が必ずしも全体の意見を反映している訳ではないことは注意しなければいけない.回答者は学会活動,部門活動に関心の強い層であると考えられる.

所属
大学
企業
研究所
学生
その他
不明
合計
教授
助教授
講師
助手
回答者数
38
26
7
12
68
10
9

12

5
187

図1入会学会および意義ある学会数(1) 現在,いくつの学会に入っておられますか? 数字をご記入ください.
(2) このうち,学会活動としてご自身に意義のあるものはいくつありますか?

入会している学会がすべて意義があるという訳ではなく,意義のあるものは2~5学会に集中している.

設問(1)(2)入会学会および意義ある学会数(図1)

 

(3) 入っている学会数についてどう思われますか?該当するものに○を付けてください.

図2入会している学会数についてどう思われますか?「多すぎる」と「少し多い」の合計は39%と半数近くに及んでいる.妥当という方は45%で,全体として多いと感じている.

設問(3)入会している学会数についてどう思われますか?(図2)

 


   

(4) 学会中に設けられている各種委員会等に合計いくつぐらい入っていますか?

入っている委員会等の数(図3)委員になっている方は複数の委員を兼任している場合が多い.多い方は,15の委員を担当している方もおり,一部の方にロードが集中していることが伺える.

 

設問(4)入っている委員会等の数(図3)

 

(5) その他,ご意見がある場合には,ご自由にお書きください.

・ 構成員や内容の似かよった学協会の講演会は年1回程度に統合した方がよい.
・ 似たような学会が多すぎる.学会数に比例して雑務が増える.航空宇宙学会,流体力学会はいっしょにした方がいい.数値流体力学会もその中に入れるべし.機械学会とこれらの学会の連携はできないのか.
・ 発表内容で優れたものを目立つように→ex.特集化,冒頭ピックアップ?
アブストフォーマットとして,「流体的視点」の項目を.
・ 講演会を見るのが高すぎる.
・ 学会の本を見ているだけで,あまり意見はありません.
・ 日本には学会の数が多すぎる.整理したい,して欲しい.
・ 学会が乱立する主因は,大学教授の成果評定にあると思いますがどうでしょうか?
・ 他の学会は年会費の中に論文集代が含まれていて送付されて来るが,機械学会では有料で論文を買わないといけないのでせめて自分が選んだ部門に関しては論文を無料送付してほしい.
・ 企業見学,特別講演を増やして欲しいです.特に地方に関して.
・ ゆうれい会員のため,機械学会誌のような情報が得られれば,それでよい.
・ 細分化された学会に加入する数が多くなると経済的負担が大きい.
・ 会費が高い割には会員のメリット(情報量)が少ない.
・ 広辞苑で科学を見ると「世界の一部分を対象領域とする経験的に論述できる系統的な合理的認識」とあり,科は生物分類上の「界,門,網,目,科,属・・・」.私は科学技術を人類社会から見ればマイクロ,マイクロサブルーチンの事象を知り,巧みに物を作る技と考えています.そのため今,文系の学会でも理事をしております.
・ 類似学会が多すぎるので学会の統廃合が必要.
・ 企業内にいる博士の資格を有する人材の学会での活躍の場を多くする工夫をして,学会を活性化させる.
・ 問題点をもっと高所から分析してください.JSME会員の国際的アクティビティを上げるには部門がどんなふうに役立っているとか(例).
・ 永年会員としてニュースレターを送って頂き,興味深く読んでいます.何分にも高齢(81.5才)なので,理論よりも新しい製品に対する関心が大きい.昭35~40年頃に学会に出入りしていましたので,学会には懐かしさと応援したい思いです.
・ 飛躍的な技術進展について,明確な技術説明本があればと思う.学会誌では充分に説明できないのではないか.

(6)学会の各種委員会などの業務は,ご自分の教育研究活動,あるいは本来の仕事に対して,負担になっていますか? 該当するものに○を付けてください.

委員会の負担(図4「負担なし」の多くは委員になっていない方であり,複数の委員会に所属している方の多くは負担を感じている.改善が望まれる.

 


 

 

(7)学会から,適度なサービスを受けておられますか? 該当するものに○を付けてください.

適度なサービスか?(図5)半数以上の方が「適度」と回答しているが,「少ない」が30%,「ほとんど無いと感じている」が14%となっていることは問題である.多くの会員へのサービスを充実させていくことが必要である.

設問(7)適度なサービスか?(図5)

 

 

(8)「学会,部門の数が多すぎ,それぞれの特徴が出せていない.また,機能的で無い面もある.」
との意見に対してどう思われますか?

部門の数(図6)「数が多すぎ,特徴が出せていない.また,機能的で無い面もある」が48%,「数は多少多いが,それぞれの特徴は出ているので統廃合は必要ない」が27%である.数が多いとの意見が大半であるが,統廃合についてはほぼ半々に分かれている.

設問(8)部門の数(図6)

 

(9)機械学会の中の熱工学部門と流体工学部門を統合し,学会員へのサービスの向上と雑務の軽減を図るとの意見に関してはいかがですか?

熱工学部門との統合(図7)「大賛成」と「賛成」を合わせると61%であり,熱工学部門との統合を望む意見は多い.今回のアンケートは部門登録者の一部の意見であるとしても,統合に関してメリット,デメリットを整理して,部門の方針を決める必要がある.

設問(9)熱工学部門との統合(図7)


   
 熱工学部門以外の他の部門と統合した方が良いと思われる部門があればその部門名を,記入してください.また,ご意見がある方は,自由にお書きください. (以下,記述式回答)


・ 動力エネルギーシステム部門との統合(4名).
・ 計算力学部門.
・ 宇宙工学部門(2名).
・ 環境工学部門.
・ 環境部門,計算力学部門の一部.
・ 数値解析部門(CFD対応強化).一般企業では,別々に検討出来る内容は少ない為.
・ 計算力学部門の熱,流体関連分野.
・ 大きな組織ではある種の政治的な動きが生じやすいので,制度的にこれを押さえておく必要.・ 流体力学会,数値流体力学会と重複しており統廃合を望む.
・ 流体と熱は不可分の関係にあり,両者の情報が同時に得られることが自然な姿だと思う.
したがって,両部門を是非とも統合していただきたい.
・ 熱工学と流体工学は似ているが異なる.統合は難しい.結局2頭立ての馬車となる可能性有り.
・ 例えば,流体工学部門と熱工学部門の両方に登録している人数は,それぞれの登録者数に対してどれくらいの割合でしょうか.私もそうですが,熱工学部門に登録している者は,ほとんど流体工学部門にも登録されているのではないでしょうか(逆は異なるでしょうが).そのあたりも個々の会員の立場から実態をふまえて検討すべき.
・ 計算力学部門も一部統合できるのではないでしょうか.
・ 統合により,より良い会報が出ることを願います.今の枚数では情報が少ないと思いますし,もっと企業のことを載せて欲しい.
・ 部門の統合については目的を明確にしてほしい.
・ 部門制になってから,他部門が何をやっているのか,分からない.情報不足になっていると思う.統合論はこの様なことが背景にあると思う.部門間の情報交換向上が第1である.
・ 機械関連のミニ学会が多数ある現状では部門そのものの必要性も疑問である.関連学会との統合についても検討されたい.
・ 全部で10~12部門位で良いと思う.企業人向きの部門が多い気がする.
・ 大きな(従来の4大力学部門)のそれぞれの間にある境界領域的な部門や,幾つかにまたがる統合的な部門が幾つかある.その詳細を知らない会員もいるので,このアンケートには,どのような部門があるのかを提示しながら回答を求めるべきではないでしょうか.
・ 雑務の軽減のために組織の統合を図ることは良いかと思いますが,流体工学と熱工学の学問の独自性は保てるような形にして頂きたくお願いします.
・ 細分化はある意味ではやむを得ない.(効率上,経済上,ect.)しかし,広範囲に見わたせて,必要に応じ,専門分野に入りこめるような形態を考えられないものか.IT化など,また技術情報を含む情報公開も必要では.現状では有用な情報は欧米のサイトから入手することが多い.
・ 部門としては統合してもよいが,ワークグループとしては細分化し,活動を活発化する必要がある.
・ 学会を支えている人は教官が多い.しかしその教官は研究論文に焦点をあて,21世紀社会の人材育成の論少し.現代,未来社会は技術文化社会なれど文化に興味を持つ人材少し.
・ 学問領域が似ている様で全く別のものであり統合するのは問題の方が多いと思われます.
・ この際,論文集Bに掲載のグループを一つにするような思い切った改革も検討したらどうでしょう.
・ 競争力があるようにするためには,何らかの統合が必要であるが,活性化の方法をもっと議論することも必要である.
・ 熱と流体の双方に関与している人とどちらか一方のみに関与している人達がいる.どちらか一方のみに関与する人達の多くが統合に賛成なら統合に反対する理由はない.どちらか一方のみに関与する人達の意見を十分に吸収することが必要.もし統合出来ないことになっても,熱部門と流体部門の行事については,テーマに応じて共同で行うことが好ましい.
・ 高齢のため,積極的に学会に関与するのは難しくなりました.それでも,学会や阪大OB会の見学会だけは参加するように努めています.ニュースレターを廃してホームページに移行する事は会務の能率上止むを得ないところで,他部門との統合も良いと考えます.若い方の健康と研鑚を祈ります.
・ 部門組織が大き過ぎ,多部門とのバランスが取れない(統合の必要なし).
・ 流体は現状で良いと思う.他の分野が分枝しすぎ.
・ 全体で5部門程度がよいのでは.
・ 計算能力の向上を計るためには,電気・電子工学系のスーパーコンピュータ開発の研究学会との連携がよいのではないかと思う.同様の機械学会内では充分とはいえない.

(10)講演会は講演発表を積極的に勧誘しなくても例年実質的に講演が集まるものと,講演発表をオーガナイザ等が積極的に集めないと集まらないものが混在しているとの意見があります.講演会について伺います.該当するものに○を付けてください.

講演会の数(図8)「数が多すぎるので,積極的に勧誘しないと集まらないものは廃止した方が良い」が68%と圧倒的である.今回のアンケート回答者は講演会の企画者側を経験している方も多く,このような意見がよりクリアに出たとも考えられる.しかし,講演会が多い(手書き回答を見ると特に国際会議が多いとの意見あり)と感じている方は多く,他学協会も含めて講演会の整理が必要である.

設問(10)講演会の数(図8)

(11)講演会の質について,該当するものに○を付けてください.

講演会の質(図9)「講演会の中には,質的に高くないものがある」が87%と圧倒的である.ただし,この結果は必ずしも悪いものとは言えず,大学院生など経験の少ない方の発表や問題提起を含むような研究経過的な発表も,研究情報を交換する場としての活性化のためには必要なことである.

設問(11)講演会の質(図9)

 


(12)類似の講演会について,該当するものに○を付けてください.

類似の講演会は?(図10)

「多いと思う」が55%,「気にならない」が45%である.設問(10)とも関連するが,講演会の数をやや絞り込んだ方がよい.流体関連の学協会が多く,共催なども検討する必要があるかもしれない.

 

設問(12)類似の講演会は?(図10)

13)講習会は積極的に聴講しようというものと,そうでないものがあるとの意見があります.講習会の数に関して該当するものに○を付けてください.

「ちょうど良い」が62%であり,講習会の数は良さそうである.「多すぎる」の31%は,一般会員からすれば,多くても参加しないだけであり,悪いこととは言えない.

 

 

(14)講習会の質について,該当するものに○を付けてください.

「期待通り」が77%であり,概ね良好な結果と言えるが,「期待はずれ」の19%がリピータとはなりにくく問題が残る.今後は聴講者による評価を行うなど,どのように期待はずれかを分析し,講習会を改善していく必要がある.

(15)学会を変革し,我々会員に益多いものにし,機械工学分野の発展と国際性を高めるためには,研究者と学会の運営体制の両面からの改革が必要と考えます.下記についてお答えください.(5:ある,3:適度,1:ない)

部門制の意義が「ない」,「ややない」とする方が60%を超えている点が特徴的である.部門の統廃合や部門制そのものの見直しも必要であるかもしれないが,部門の独立性や活性を高め,部門のサービスの向上を図ることがより有効な打開策となるかもしれない.部門への評価が低い点も,部門活動の活性化とサービス向上により改善できるものである.

(16)日本機械学会では,部門活動の自立性を増すよう制度改革が行われていますが,このために部門に委譲されるべき権限等につき,ご意見をお答えください.

(1) 部門会費の徴収権
「委譲」されるべきとの回答は19%であり,部門の独立性を高めるには徴収権が必要なものの,委譲に対してはそれほど積極的ではないと言える.

(2) 論文の編集権
「委譲」との回答は半数近くであり,委譲すべきか否かの検討を行うべきである.

(3) その他(具体的に)
大学や企業との共同イベント加速.事務的なことは一括し,専門的なことは部門で,が原則と思う.
自主性を促すためには権限委譲を進めるべき.
部門自体と独立学会との区別を明確に.

 

 

(17)日本機械学会では,部門活動の自立性を増すよう制度改革が行われていますが,このために学会事務局等が用意すべきサービス機能につき,具体的にお答えください.

・ 支部との並列の意義が不明確で,今や支部の存在意義が低いと思います.
・ 若手技術者,学生へのサービス向上は必要.
・ 学会や部門講演会の実務機能,ホテルとの交渉や部屋の用意など.
・ ASMEなどは事務方が大変しっかりしているように思われる.事務方が主導で行えることが多々あるように思われる.私の認識不足かもしれないが.
・ 事務代行機能の強化.
・ 会議開催の雑務のサポート.
・ サービスを用意する際,そのサービスをする人を会員にお願いすることがない様,学会内でサービスする専門の方を増やした方が良い(そうするべき).
・ 学会企画参加に対する謝礼あるいは評価強化.
・ Mailing List 公開.
・ 今回の(部門)講演会は,聞きたい講演はいくつも重なって(3日(水)午後),逆に3日(水)の午前は興味のないものばかりだった.似ている内容を同じ時間にやらないようにしてほしいです.
・ 若手技術者,学生へのサービス向上は必要.
・ 論文集A,B,Cの目次が何故学会誌から消えたのか? 最大のサービスではなかったのか?
・ 学生からの関心,社会への貢献は最優先すべき.学生は次代の会員であるし,学会の中心となる.
・ 講習会は多すぎる.各学会が同じ内容を繰り返している.
・ CD-Rom化等.論文集のon-line閲覧.
・ 論文集及び会誌の電子化,データベース構築(検索機能).
・ 以前,流体部門の講習会を受けたが,金土曜日に実施されたために土曜の講習会に出席出来なかった.会社の出張扱いで出席したので,会社の制度上休日出張が出来ない.出来れば平日にしてほしい.
・ 電子投稿等,オンライン化の充実,ニュースレター等の電子化.
・ 事務作業はできる限り統合する(アウトソーシングでも可).部門活動は,質の向上を目指した活動に専念する.
・ やはり,各種情報配信かと思います.あらゆる分野から適度な情報を得られるようにして欲しい.HP上などで・・・.論文など.
・ 電力会社に勤務しているが,学会は遠い存在に思えてならない.こちらから積極的に動きかける必要もあると思うが,もう少し近い存在にならないだろうかと思っている.
・ 部門活動単位にならない方が良い.
・ 技術士などの受験に対する支援.企業人への博士号取得のための支援.
・ 工学部門の質を向上してほしい.
・ 自立などすべきではない.自立の為の雑事が増え,本来の仕事が疎かになる.
・ 講習.教育.
・ 部門間の調整.
・ 会費の徴収と部門への配布,講演会場など開催場所のデータベース,会員に共通するサービスの案内,会員名簿データベースの管理.
・ 類似分野の他学協会との連携強化.共催講演会をゼロベースで見直す.
・ HP上でのJSME論文の検索,論文作成へのアドバイス,学生への宣伝.
・ 研究とは大いなる無駄のかたまりだと思う.チャレンジ精神をうながす活動に援助していくべきだと思う.
・ 内外文献速報.部門会費の確立.部門別事業,宣伝.
・ 最近思うのですが,最近の論文は細かい部分でのその道の研究者には有効と思われるが,それ以外の人にとって何の役にも立たないような気がします.15~20年前の論文のように工業的に展開が容易なものも必要と思う.
・ 直接関係はないが,組織の簡素化が必要.
・ 企業と大学が一体となった技術革新への取り組みが醸成される風土の形成できるシステム.
・ 学生の教育を主眼に置いた学会のあり方の検討.
・ 難しいが,部門,支部,地区の独自性をそれぞれ高める努力が必要でしょう.
・ 多くの会員の自主的協力が得られる様な改革が必要.
・ 見学会の活用(企業秘密を犯さない範囲で).新製品の紹介.
・ 講演会の数を減らし,実質的に質の高いものにすべき.講演会の参加費用が高い,もっと安く.
・ 部門に支給される費用をもっと多くすべき.
・ 部門制を生かすかについて論ずるより,部門の成果があまりにも貧欠していると思う.

更新日:2002.3.31