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「第10回流れの夢コンテスト」 報告

実行委員長 鹿野 一郎(山形大学)
幹   事 幕田 寿典(山形大学)

 2001年に第1回目が開催された日本機械学会流体工学部門主催の「流れの夢コンテスト」は,今回で10回目を迎え,2010年10月30日に山形大学(米沢市)において開催されました.今年のテーマは「楽しみながら流れを見る,感じる,理解する」でした.最近,若者の理科離れという言葉をよく耳にし,私自身とても残念に思っておりました.そこで,本学で開催される「流れの夢コンテスト」では,楽しみながら流れを見て,感じて,理解することを目標に全国の高専,大学等の学生を対象として募集いたしました.その結果,全国より全部で12件の申込みをいただき,盛況にコンテストを実施することができました.

  コンテストは,作品の一般公開(展示・デモ),パワーポイントによるショートプレゼンテーション,特別講演,表彰式(於 流体工学部門講演会の懇親会)の順に実施されました.一般公開では,機械学会員だけでなく一般市民も見学に訪れ,1時間半の一般公開時間中におよそ100人程度の見学者があったものと思われます.また,宣伝の効果(山形県内の中学・高校などへのイベント告知など)もあり,地元のケーブルテレビ局が取材に来ました.各チーム3分間のショートプレゼンでは,コンテスト参加者に作品の趣旨,アイデア,見どころ,工夫した点などを発表していただきました.独創的で聴衆の興味を引きつける発表が多く,1時間程度のプレゼンの時間があっという間に過ぎました.全体的に,非常にレベルの高いコンテストであったと思います.

  特別講演では,山形大学准教授の西岡昭博先生に「プラスチック流動制御技術を応用した米粉100%パンの開発~プラスチック成形加工と食品加工の異分野融合~」という演題でご講演いただきました.世界で初めて米粉100%のパンを実現した西岡先生のご講演は,プラスチック技術の知見がパン生地の粘度制御に応用され,従来不可能とされてきた米粉100%のパンが実現できたという大変興味深いものでした.

  コンテストの審査は一般公開(デモ)会場およびショートプレゼンテーション会場にて行われ,その合計点で評価しました.審査委員は機械学会正会員19名,学生11名,一般5名の総勢35名でした.採点の結果,最も総合評価の高い作品を「最優秀賞」,ユニークな発想で見る人に感動を与えた作品を「一樹賞」,その次に総合評価の高い作品を「優秀賞」として表彰いたしました.またアイデアに関する評価が高い作品を「アイデア賞」,夢を感じさせる評価が高い作品を「ドリーム賞」といたしました.審査の結果,「水の舞踏会」(東洋大学)が最優秀賞,「フローキックでシュートを決めろ」(名古屋大学)が一樹賞,「君も尺八吹けるかな?」(山形大学)が優秀賞,「木星のKHI」(山形大学)」がアイデア賞,「流れのふしぎはっけーん!!」(米子工業高等専門学校)がドリーム賞を受賞しました.最優秀賞チームは大学1年生が主メンバーのチームで,コンテスト開催までに連日莫大な実験データを取り続けたと聞いております.もちろん,その他のチームもユニークな発想とともに惜しみない努力が払われたことと思います.表彰式では,コンテスト実行委員長から受賞チーム代表者に賞状と副賞が授与されました.

更新日:2011.10.6