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講習会「実験流体力学-マイクロ流れ実験の基礎と応用-」の実施報告

横浜国立大学 西野耕一

2004年7月1日(木),2日(金)2日間にわたって標記講習会が開催されました.

講習内容および担当講師(敬称略):
●基礎編(7月1日(木) 9:30~17:15)
9:30~10:45 「マイクロ流れの流体力学」 望月 修(東洋大学)
10:45~12:00 「マイクロ流れの伝熱」 井上剛良(東京工業大学)
12:00~12:15 展示機器クイックレビュー
12:15~13:45 展示機器デモ(昼休み)
13:45~15:00 「マイクロ気泡の流体力学」 高木 周(東京大学)
15:00~16:15 「マイクロ流れ計測」 西野耕一(横浜国立大学)
16:15~17:30 「MEMS技術」 丸尾昭二(横浜国立大学)
●応用編(7月2日(金) 10:00~17:00)
10:00~11:00 「マイクロPIV」 岡本孝司(東京大学)
11:00~12:00 「マイクロバイオ流」 佐賀徹雄・大島まり(東京大学)
12:00~13:45 展示機器デモ(昼休み)
13:45~14:45 「MEMS利用の乱流制御」 鈴木雄二(東京大学)
14:45~15:45 「マイクロチャネルにおける
電気浸透流三次元速度計測」
佐藤洋平(慶應義塾大学)
16:00~17:00 「マイクロポンプおよび流量計」 小西義昭(日機装株式会社)
聴講料:
会員20,000円,会員外30,000,学生員10,000円,一般学生15,000円
参加者:
72名(会員34名,非会員8名,学生員15名,一般学生15名)

 本講習会は,マイクロ流れ実験の基礎と応用について各講師から説明があり,その内容について十分な質疑応答を行いながら,理解を深める形式で実施されました.また,マイクロ流れ実験用機器について,株式会社オプトサイエンス,西華産業株式会社,ダンテック・ダイナミクス株式会社,日本カノマックス株式会社,株式会社フォトロン(順不同)の5社のご協力により,最新機器の展示を行いました.コーヒーサービスの中で,受講者・展示担当者が自由に情報交換できる機会は好評でした.下記アンケート結果からも伺えるように,受講者の方々には概ね満足頂けた講習会であったようです.

  しかし,多くの受講者から講習会テキストについて不満の声が上がりました.それは,講習会テキストと各講師がプレゼンテーションに用いたスライドの内容の豊富さの格差です.1時間の講演あたり標準4頁の講演原稿では,当日のスライドの内容(特に画像や模式図)をカバーすることができず,受講者からはスライドを資料として配布して欲しい旨の希望が出されました.それに応えるため,各講師のご承諾を得て,講習会後にプレゼンテーションスライドの電子ファイルをホームページからダウンロードできるように致しました.パスワードが設けられているため,受講者の方々のみダウンロード可能です.このような希望は,今後他の講習会でも出されるものと予想され,講習会企画における検討課題だと言えます.


▲ 講演風景

▲ 受講風景

▲ 機器展示風景

受講者の皆様にご協力いただいた本講習会に関するアンケート(52名回収)の集計結果を以下に記します.

  1. 参加者ご自身について
      企業の研究開発:18名,企業の設計業務:4名,国公立研究機関:2名,
      大学の教官:10名,学生:18名
  2. 参加の動機
      マイクロ流れの研究・機器開発に既に従事されている方,これから取り組む予定の方,この方面の研究テーマを探している方,マイクロ流れ全般の情報収集を目的とする方,など様々でした.
  3. 参加のきっかけ
      機械学会誌の会告原稿:5名,機械学会のWebページ:12名,
      上司,先生,知人の紹介:23名,メーリングリスト:10名
  4. 参加費用
      高い:10名,やや高い:19名,妥当:20名,多少安い:1名,安い:1名
    ※平均的にやや高いという評価です(特に,学生受講者の方々にその傾向が見られました).
  5. 使用テキスト
      良い:0名,概ね良い:4名,普通:24名,若干悪い:20名,悪い:4名
    ※テキストの改善余地が大きいという評価です.その理由は上述した通りです.
  6. 理解度
      かなり理解した:3名,概ね理解した:35名,余り理解できなかった:15名,
      殆ど理解できなかった:1名
    ※余り理解できなかった方(15名)と殆ど理解できなかった方(1名)のうち,
      11名が学生の方々でした.
  7. 満足度
      非常に満足:9名,概ね満足:27名,普通:13名,多少不満:3名
    ※多少不満という方(3名)は全て学生の方々でした.
  8. その他
      様々なコメントを頂きました.今後の講習会WGの活動に反映して参ります.

最後に,本講習会に参加して下さった受講者の方々,お忙しい中講演をお引き受け下さった講師の方々,機器展示にご協力下さった各社に厚く御礼申し上げます.

更新日:2004.7.17