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ななめに浮く風船(続編)

まずは見てみよう!

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どんな実験?

実験手順と種あかし

  • 2009年12月に公開した「ななめに浮く風船」では、ドライヤーで風船をななめ上方に浮かせる実験をしました。そのときに用いた風船は直径45cmの風船でした。今回の実験で用意したものは直径22cm(よく売られている大きさ)です。
  • ドライヤーの先にペットボトルで作ったノズルを付けています。これは、流れを速くすることと噴流(ノズルや穴などから噴出する流れ)を細くしてコアンダ効果(後述)がはたらきやすくするねらいです。コアンダ効果は噴流の場合に起こるもので、噴流を細くするとあまり流れが拡がらずより効果的になります。
  • まずドライヤーで真上に吹き上げてみます。このとき、風船はドライヤーの風を受けて空気抵抗(抗力)で浮いています。
  • 次に、ドライヤーを少しずつななめに傾けてみると、風船は落ちてしまいます。風船が軽すぎてうまくいかないのです。
  • そこで新聞紙を細長く切ったものを風船に取り付けて実験してみます。すると、風船はあまり揺れることなく、ドライヤーをななめにしても風船は安定して浮いています。
  • これは、新聞紙のしっぽを付けることによって、@全体が重くなってふらつきが少なくなる、A新聞紙によって重心がより下に下がり安定性がよくなるからです。軽い風船でもこのようなくふうをすると、うまくななめに浮かすことができます。ただし、長すぎると重くなり高く上がりませんし、短すぎるとゆらゆら揺れて不安定になりますので、長さの調整をくふうしてください。
  • 風船がななめに浮く理由は「ななめに浮く風船」で説明した通りです。空気の流れが風船に沿って曲げられ(コアンダ効果)、空気には流れに垂直な方向に力がはたらき、この反作用が揚力という力になります。同時に空気抵抗も作用し、この二つの力の合力が重力とつりあってバランスがとれるのです。
【注意】 風船がななめに浮く理由を、「ドライヤーの風は周囲の空気より速いのでベルヌーイの定理から圧力が低くなりボールを吸い寄せる」と説明している本やネット書き込みが多くありますが、これは間違いです。ベルヌーイの定理を単に「流れの速い所は圧力が低い」ということであると誤解しており、間違いです。ベルヌーイの定理はエネルギー保存則であり、「一つの流線上で、エネルギーの損失と供給がない場合、上流側と下流側の2点でエネルギーの総和が等しい」ということです。上流と下流の2点で比較すること、エネルギーの損失と供給がないことという二つの条件がそろっていなければ成立しません。
【キーワード】 コアンダ効果、運動量理論
【関連項目】

ななめに浮く風船ボールを棒で支えるベルヌーイの定理

【参考】 日本機械学会編「流れのふしぎ」講談社ブルーバックス、P128−133.
石綿良三「図解雑学流体力学」ナツメ社、P206−209.

更新日:2017.10.1