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第95期 部門長からのメッセージ


第95期
流体工学部門長
慶應義塾大学

小尾晋之介

 95期はすでに11月に入りました。遅ればせながらご挨拶かたがた今期の部門の活動についてご紹介いたします。

 10月末に沖縄で開催された第9回日韓熱流体工学会議(TFEC9)は、会場を直撃した台風の影響を受けながらも、実行委員会の献身的なご努力により無事に終了を迎えました。この会議そのものは部門とは独立した委員会組織による活動でありましたが、部門にとっては例年この時期に開催される部門講演会に代わる重要な学術集会として位置づけられていました。そこで今年は「1回休み」となることを好機ととらえ、部門講演会のありかたに関する議論に時間をかけて取り組んで参りました。この場をお借りして、その経緯についてご説明したいと思います。

 まず、年度当初に部門長と副部門長の連名で部門委員長幹事会に提案した企画書の一部をご披露します。

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2017年4月

部門講演会に関する提案

流体工学部門
部門長 小尾 晋之介
副部門長 能見 基彦

1.背景

  1. 現在の部門講演会は大規模化し、パラレルセッションが常態化した。このため、流体工学がカバーする広い学術分野の交流や情報収集が困難な状態となっていた。
  2. 過去の部門内のアンケート調査から、部門講演会の平日開催のニーズが高いことが明らかである。しかしながら、参加費の高額化を避け大学を会場とする場合、講演室数を確保するのが困難で、平日開催が避けられていた。
  3. 以上は、企業からの積極的な参加が減少する一因と考えられる。その結果、部門活動が大学関係者に偏り、その傾向はさらに悪循環を招くことが危惧される。
  4. 95期(2017年)は日韓熱流体工学会議開催のため部門講演会は開催されず、準備期間が通常よりも長く確保できることから、部門講演会のあり方を大きく見直す好機である。

2.提案

 部門講演会の研究発表は招待講演や特別企画などの一部を除きすべてポスターセッションとする。

3.提案の主旨

  1. すべてポスターセッションとすることで、企業関係者、大学関係者、大学院生を問わず参加者がフラットに議論でき、学術・技術交流の活性化が期待される。
  2. 大学で教室を多数確保する必要がないので、平日開催が可能となる。例えば金曜・土曜の開催とすれば、企業関係者も出張ベースでの参加が容易となる。
  3. 日本機械学会だけでも年次大会、支部総会など類似の講演会が複数あり、参加者の重複が多いなかで、部門講演会に特色を持たせ、魅力が高まる。
  4. 企業関係者への訴求力が高まり、産学交流の活性化へ向けて好循環をもたらすことが期待される。

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 以上の提案は5月と7月の委員長幹事会への出席者、9月に開催された部門拡大運営委員会出席者をはじめ、関係者が個人的に接触した部門登録者からは好感触をもって迎えられています。並行して、会場校である室蘭工業大学関係者と流体工学部門の委員長幹事会からの選抜メンバーでタスクフォースを設け、様々な点について議論を重ねてきました。全く新しい形式での部門講演会となるため、会場校のご関係者には特に大きなご負担をおかけしましたが、先月開催された会合において全体像が固まり、ここでようやく部門のご関係者に広くご披露する運びとなった次第です。

  詳細な開催案内は近日中に開催地幹事校ならびに部門講演会の実行委員会からウェブサイトに公開される予定ですが、これまでの部門講演会と同様に行われることと変化することについて改めて以下にまとめます:

  • 従来通り変わらないこと:
    • 特別講演、招待講演、ワークショップ、フォーラムなどの企画を設ける。
    • オーガナイズドセッション(OS)を設け、共通テーマの下での議論を促す。
    • 発表者は研究要旨を原稿形式で前もって提出する。
    • 発表者を対象にフェロー賞、部門表彰を行う。
    • 「流れの夢コンテスト」を講演会と並行して開催する。
  • 変わること:
    • 一般講演はOS、一般セッションも含めすべてポスター形式による発表とする。
    • 優秀講演表彰はポスター発表を審査項目に加える。
    • 平日開催として出張ベースでの参加を促す(2018年は11月29・30日の木・金曜日となります)。

ポスターセッションは様々な学術集会で取り入れられており、ご経験のある方も多くいらっしゃると思われますが、部門の中で定着するにはしばらく時間を要することになると予想されます。記念すべき第1回目の室蘭に続き、第2回目は東海地区で開催が決まっています。今後数回にわたり、新しい部門講演会が流体工学の諸問題を議論する魅力的な場として育っていけるよう、部門関係者のご協力を切にお願いいたします。

更新日:2017.11.22