部門賞

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第81期(2003年度)流体工学部門 部門賞

● 飯野利喜(日立製作所)
● Philip A.Pfund(Fermi National Accelerator Laboratory)
● 川橋正昭 教授 (埼玉大学)
● 里深信行 名誉教授 (京都工芸繊維大学)
● 辻 裕 教授 (大阪大学)
● 益田重明 教授 (慶応義塾大学)

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部門賞

飯野利喜(日立製作所)

受賞理由:
  ASMEとJSMEが共同で行っている日米流体工学会議において,両学会の共同協力に多大なる貢献をした.


部門賞

Philip A. Pfund (Fermi National Accelerator Laboratory)

受賞理由:
  ASMEとJSMEが共同で行っている日米流体工学会議において,両学会の共同協力に多大なる貢献をした.


部門賞

川橋正昭 教授 (埼玉大学)
授与式の写真

受賞理由:
  同氏は,特に流れの可視化技術,光学的計測法に関しての一連の研究を通して,流体工学の教育・研究に貢献した.また,編集委員長を含め流体工学部門の運営委員を7期務め,部門に対し長年に渡って貢献し,2003年開催の日米流体工学会議では日本側の議長としても活躍されるなど,流体工学部門の発展に多大な功績があった.

受賞のコメント:「受賞にあたっての感想」
  このたび,権威ある流体工学部門賞受賞者に選ばれたとのご連絡を頂きまして,大変光栄でありまた心から嬉しく存じておりますがそれ以上に,大変な驚きとともに,これまで受賞されました輝かしい業績をお持ちの方々に比べ,はたして受賞の資格があるのかと内心忸怩たる思いでおります.
  これまで流体工学の本流からは少し離れた分野で,主に管内非線形波動解析と光学的実験解析手法開発を行ってきました.これまでを振り返ってみますと,これらの分野で幾つか他よりも比較的早い時期に手がけたものがあり,それにより今日における目覚しい発展のほんの一端を担えたのかもしれないと勝手に思っている次第です.学会および部門の活動につきましては,これまで幾つかの委員会等でお手伝いさせて頂く機会が与えられ,微力ながら楽しく努めさせて頂きました.これからも,少しでも学会活動にお役に立てることがあればご協力し,さらに新たな研究分野への挑戦も続けていきたいと思っておりますので,倍旧のご指導ご鞭撻を賜りますようお願い致します.


部門賞

里深信行 名誉教授 (京都工芸繊維大学)
授与式の写真

受賞理由:
  計算流体工学の分野において,大規模数値シミュレーションの推進,高次精度離散スキームの提案などに顕著な功績がありました.特に,他の研究者に先駆けて流体解析への並列計算機の導入を手がけ,国際的にも高い評価を得るなど,わが国の流体工学のレベルアップに対しても顕著な功績があった.

受賞のコメント:「部門賞を受賞して」
  この度,流体工学部門部門賞を頂くことになり,大変光栄に思っています.この場をお借りして関係する皆様方に厚くお礼申し上げます. 私は1960年代の後半から30年余にわたり計算流体力学の研究に従事してきました.当初はPIC法やFLIC法で衝撃波伝播の数値計算を東大大型計算機センターの日立HITAC5020で行っていましたが,この分野の研究者は他に殆んど居ず,今日のように計算流体力学の研究が盛んになるとは夢にも思いませんでした.私の計算流体力学における業績は,2000年に京都で開催したICCFDに引き続いて世界中の計算流体力学を研究する友人達が,私の還暦を祝って開催してくれたシンポジウムのプロシーディングとしてSpringerから出版されている'Computational Fluid Dynamics for the 21st Century'の第一章にまとめられているが,今回の受賞の理由が,その中に記されている高次精度計算スキームの提案と並列計算流体力学への先駆的取り組みであるのを知り大変嬉しく思っています.最近の数年間は大学の管理運営に時間をとられ残念に思っていましたが,これを機会に微力ながら我が国の計算流体力学研究の発展に尽力したいと思いますので,今後とも宜しくお願い申し上げます.


部門賞

辻 裕 教授 (大阪大学)
授与式の写真

受賞理由:
  固液二相流,特に混相乱流の流動機構の解明および粒子追跡法による数値解析の分野において精力的な研究を行い,国際的に高く評価される顕著な業績を残すと共に,流体工学分野の発展に多大な功績があった.

受賞のコメント:
  第81期部門賞をいただき誠に光栄です.今まで候補者を推薦する側に立つことが多く,実際,今回も数名の方々を推薦させてただきました.自分自身が推薦されたことを知った時は少し驚きました.流体工学部門に対して多大の貢献をされた方々を沢山存じあげているだけに,小生ごときがいただいていいのかと戸惑い,また申し訳なく思っています.しかし嬉しいことには違いないので,素直に喜んでおります.
  さて1つ心配なことは,部門賞のような大きな賞をいただくと,これで「あがり」という印象を持たれるのではないかということです.齢の割には腰が軽く,ボランテア精神にかけては人後に落ちないと自負しております.中堅若手の活動の邪魔にならないことを念頭に置きつつ,まだやる気満々で,部門といろんな関わりを持ち続けたいと願っております.声をかけていただいたら喜んで出向く気持ちでおります.ただし,まだ使い道があればの話ですが.


部門賞

益田重明 教授 (慶応義塾大学)
授与式の写真

受賞理由:
  回転場における流れの安定性と乱流の研究,剥離流の特性と制御方法の研究,壁面せん断応力やエネルギー散逸率の計測など,乱流現象の解明とその工学的応用に関する一連の研究を通して,流体工学の教育・研究に貢献した.

受賞のコメント:
  部門賞と伺ったときに先ず感じたことは,それで本当によろしいのですかという疑問でした.これまで学内外で賞を授ける側の仕事を度々努めさせて頂きましたが,その度に,表彰の価値は表彰規程に書かれている文言ではなく,実例によって決まるのだと考えていました.ですから,学会に対しても部門に対しても何の貢献もなく,研究活動もほどほど,教育にしても人並み程度が精一杯の私で,本当によいのだろうかと思った次第です.今や,右を向いても左を向いても評価,評価のご時世ですから,表彰していただくことは個人的にはもちろん有難いことで,あれこれいう前にまずお礼を申し上げなければいけない立場ではありますが,会員の立場で考えると何か割り切れない気持ちが残ります.

更新日:2003.10.22