部門賞

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第83期(2005年度)流体工学部門 部門賞

● 小西 義昭 (日機装(株))  
● 豊田 国昭 教授 (北海道工業大学)  
● 藤井 孝蔵 教授 ((独)宇宙航空研究開発機構)  
● 山本 富士夫 教授 (福井大学)  
● 渡辺 敬三 客員教授 (東京農工大学)

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部門賞

小西 義昭(日機装(株))

受賞理由:
  長年にわたり企業人の立場から流体工学の発展に寄与された。特に、広報委員会において「洋上セミナー」を企画し、ニュースレターの編集発行、「流れの夢コンテスト」の立ち上げに尽力し、成功に導くなど、流体工学分野の社会的啓蒙活動に多大な功績があった。

受賞のコメント:
  流体工学部門は車の両輪としての「流体工学」と「流体機械」が、一緒になって発足したと記憶しています。ところが最近は流体機械を主に分担していた企業の委員が少なくなっています。
  単純に,理論と実践という意味にしても,流体機械の比重が低下したとは思いませんが,産学の役割は変わってきたように思います。大学の研究が実際の応用の方向に向き、企業の開発が効率化のために数値解析の方向に向くと,両者の相互理解が進む反面,互いの独自性が薄れていくように感じています。
  受賞理由に「長年にわたり企業人の立場から流体工学の発展に寄与した」とあるのは,その企業という希少価値に対してではなく,これからさらに流体工学部門およびこの分野を伸ばすために企業において実証の仕事をしろといわれているようにも感じます。
  一軸スクリューポンプ、キャンドモータポンプ,往復動定量ポンプの開発などというよりも,宇宙ステーション用,再処理機器用,補助人工心臓用,極微少インスリン注入用などのポンプの開発という表現の方がしっくりくるのは,やはり企業人だからでしょう。
  企業の良いところは腰の軽いところでしょう。特に開発は全てのリスクを自分自身で負わなければならなく,日常いつも綱渡りですから,逆に自分で納得できたら完全でなくても,まず走り出し,走りながら考えます。どんなに危険でも走りつづける限り,途中であり続けるだけで,止まらない限り失敗はありません。
  色々なものを立ち上げたのは,委員会の後の飲み会の席での,興味本位と安請け合いと能力の無さ(能力不足が分るために周りが危なっかしく思って積極的に協力してくれる)の成せる技だったのでしょう。
  皆様のご指導に感謝しつつ,流体機械技術者として受賞を誇りに思います。

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部門賞

豊田 国昭 教授(北海道工業大学)

受賞理由:
  長年にわたり実験流体力学の立場から噴流の渦構造の解明に取組み、渦流れの計測、制御に顕著な功績があった。特に、変動圧力計測プローブを開発し,圧力場と速度場の相互関係を明らかにし、騒音低減技術の開発に指針を与え、流体工学の発展に多大な貢献をした。

受賞のコメント:
流体工学部門賞贈賞の連絡を受け,身にあまる光栄に存じております.ご推薦いただいた関係各位に心から御礼申し上げます.
  私が変動圧力計測プローブの開発に係わり始めたのは,1981年から4年間にわたって行なわれた文部省科学研究費特定研究「乱流現象の解明と制御」に参加する機会を得た時です.当時は,乱流中の変動圧力計測に関しては,スペクトルや相関などの統計量の計測例はありましたが,時系列計測は困難とされていました.圧力プローブの先端形状,圧力孔の大きさや位置,気柱共鳴の周波数特性と減衰方法などを試行錯誤で検討することにより最適条件を見出し,円柱後方の変動流中でプローブの信頼性を確認することができました.このプローブの有用性は噴流中の渦構造の抽出により立証されました.とくに,非円形噴流中の複雑な三次元渦構造を計測することが出来たことは大きな成果と考えています.また,圧力計測は流力騒音の音源探査にも有効であることを期待し,圧力プローブによる渦構造と音源の同時計測も試み,渦音発生機構に関する基礎資料を得ることができました.さらに,乱流モデルにおいて問題となっている圧力・速度相関の計測にも圧力プローブが有効であることを確認する実験も行ないました.以上の研究を通して流れ中の渦の重要性を強く感じるようになり,とくに「渦の操作による噴流制御」の実験的研究に取り組むようになりました.
この間,流体工学部門の先輩からは数々の貴重なご指導・ご助言を賜り,同年代の仲間からは諸々の研究会にお誘いいただき,私の研究活動にとって大きな励ましとなりました.お世話になった皆様に心から御礼申し上げます.今後とも,微力ながら流体工学部門の発展に少しでも貢献したく思っておりますので,よろしくお願い申し上げます.

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藤井 孝蔵 教授((独)宇宙航空研究開発機構)

受賞理由:
  長年にわたり数値流体力学の分野で数々の先進的な研究成果を上げ、多くの研究者を世に送り出した。また、数値流体力学を仲立ちとして航空宇宙工学と機械工学分野の研究者の交流など両分野の橋渡しとしても顕著な功績があった。

受賞のコメント:
 

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山本 富士夫 教授(福井大学)

受賞理由:
  長年にわたり粒子画像流速計の開発応用に際して多大な貢献をされた。とくに二度のPIV国際会議の開催において中心的な役割を果たし、さらに国際混相流計測技術会議組織委員長を務められるとともに、流体工学実験分野の国際学術交流に尽力した。

受賞のコメント:
  この度、第83期流体工学部門の栄えある部門賞を受賞させていただくことになり、心底恐縮に思いますとともに率直に大変嬉しく存じております。推薦して下さった方々と審査委員の方々に厚く御礼申し上げます。
  恒例により、ここで受賞のコメントして簡単な経歴を述べさせて頂きます。およそ20年くらい前ですが、国内外の学会でPIV(粒子画像流速測定法)に関する研究発表が始まったときから、PIVは速度場の空間同時計測という絶大なる特長を有するため革命的なツ-ルとして注目を浴びて来ました。PIVのパイオニアたる先生方が関西を中心に研究会を開催していました。みんな若くて元気がよく着実に研究成果をあげていました。私も仲間に入れて頂いて、ASME、FLUCOME,ISFVなどの国際会議に出かけておりました。そのうちにPIV国際会議を日本で組織してはどうかという話になりました。
  第1回(1995年)と第2回(1997年)のPIV国際会議は福井市で開催されました。2回とも名称はワ-クショップとしました。国際的にトップクラスのPIV研究者を国内外から招待しました。参加者数は私の学生を入れても100人足らずでした。シングルセッションとし3日間とも満室の中で、熱心な討論が行われました。今年の9月には第6回(2005年)PIV国際シンポジウムがアメリカで開催され、合計約400人が参加しました。第7回は2007年にロ-マで開催されます。ますます大きな学会として発展しています。PIVシステムは急速に世界中で普及し始めていることは確かです。
  15年くらい前から私の研究室にもPIVの研究をしたいという若い人が集まるようになりました。変形速度場計測に極めてロ-バストな速度勾配テンソル法やデロ-ニ三角法など多少数学的基礎と流体力学にこだわったアルゴリズムを開発したり、PIVとCFDのハイブリッドシステムの構築に励んだりしてきました。最近は混相乱流のPIV解析を行っています。その結果15人の博士が巣立ち、各地で頑張っています。私の研究室を訪問したり滞在した外国人研究者は約100人に達し、国際的な友好交流を楽しんできました。
  私としては、無我夢中になって国際的な学術交流活動や教育研究活動に努めて来ました。その活力と狙いは一貫してPIVの世界中への普及と産業応用にありました。振り返れば、私の夢はまだまだ達せられていませんが、お陰様で今回の受賞により一区切りついたのだとそれなりに納得し、ほのぼのとした安らぎを覚えています。
  この紙面をお借りして重ねてお世話になった方々に深甚なる謝意を表します。

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渡辺 敬三 客員教授(東京農工大学)

受賞理由:
  長年にわたり非ニュートン流体の問題に取組み、顕著な業績を上げた。特に、撥水性流れの流動機構を明らかにした。更に、抵抗低減分科会の主査を務め、洋上セミナーの実施など、部門の活性化に努め、流体工学の発展に多大な貢献をした。

受賞のコメント:
  この度,日本機械学会流体工学部門の栄えある部門賞を受賞したことは私にとって大変光栄であり,うれしく思います.私自身は流体工学のなかで抵抗減少効果に興味をもち,それに関わる混相流、非ニュートン流体および超はっ水性壁面の流れ等について研究を続けてきましたが,これらの研究成果は平成17年3月まで在職をしておりました東京都立大学大学院工学研究科の流体工学研究室のスタッフ,当時の院生および学生諸君の協力のお陰であり,あらためてお礼を申し上げます.また、研究を通じて出会った多くの学生あるいは中国やインドネシアの留学生が,大学や研究機関あるいは企業などの場で活躍していることを知るにつけ,その出会いを大変有難く思っております.
  現在,私は微生物によるバイオポリマーの抵抗減少効果,流体輸送そしてマイクロマシンに関わるポンプ等についての研究・開発を大学及び複数の企業との連携のもとで行っております.近年の材料の開発や加工技術そして計測技術の進歩は著しく,ナノ・マイクロに関わる流動現象にも多くの研究者の関心が集まるようになりました.そして,各種工業分野のみならず我々の地球環境においても流体の流動やそれに関係する現象を解明し,人間の役に立つ技術の発展へと流体工学の研究者や技術者の役割が期待されています.機械学会は産官学の技術者、研究者の集まりであり,学会の果たす役割もこれから重要になろうかと思います.この受賞を契機に,今後もこれらの研究に対してなお一層努力を続けて行きたいと考えております.

更新日:2005.10.31