No.14-133講習会「流体現象のポスト処理 ~特徴物理量の抽出~」
【企 画】
流体工学部門
【協 賛】
日本流体力学会,自動車技術会,日本航空宇宙学会,可視化情報学会,
ターボ機械協会,日本ガスタービン学会,計算工学会
【開催日】
2014年12月18日(木)
【会 場】
日本機械学会 会議室
所在 東京都新宿区信濃町35番地 信濃町煉瓦館
交通 JR中央・総武線「信濃町」駅 下車徒歩3分
地図 http://www.jsme.or.jp/japanese/contents/01/11.html
【趣 旨】
流体計測,解析を行うときは,見たい現象や評価したい内容に応じて,それに合わせた計測手法,解析手法を選択することになります。しかし,その出てきた結果に対して,「何故ここが変化したのか」,「2つを比べると,何故ここに違いが見られるのか」,といった点を考察することは,簡単なことではありません。また,計測機器の高性能化,PC処理能力の飛躍的な向上に伴い,研究・設計の場では,10年前と比べて大量のデータを得ることができるようになりました。しかし,評価している物理量や,製品優劣の判断基準は,10年前から大きく変わっていないのが実情です。そのため,得られたデータのごく一部のみを評価に使用し,大量の目に見えない有益な情報は捨てている可能性があります。
本講習会では,実験,解析のポスト処理技術に焦点を当て,計測・解析で得られた結果の変換手法,可視化手法,評価手法について,ご紹介頂きます。得られたデータをうまく活用し,これまで見えなかった他の物理量や,流れ場の特徴構造を得ることができれば,皆さまが対象とする流れ場についても,新しい知見を得ることができるのではないでしょうか。
本講習会は,主に企業の技術者や学部・大学院の学生の方々を対象としております。多数のみなさまの参加をお待ちしております。
【プログラム】
9:25~9:30 | 挨拶・諸説明 |
9:30~11:00 | 「PIV・PTV を用いた圧力分布の可視化とその結果の評価」 村井 祐一(北海道大学) PIV・PTVデータを得ることができれば,基礎方程式の「適切な選択」と「適切な解法」により圧力分布を可視化することができる。2つの「適切な」を実現するには,3つの知識が必要となる。それらは,①PIV/PTVの計測誤差伝搬の特徴,②速度圧力変換に用いる基礎方程式の数学的性質,そして③計測対象の時空間構造次元に関する前提である。一つでも不理解があると圧力分布は不合理な解に導かれる。本講ではベルヌーイ方程式,ポアソン方程式,N-S方程式ならびにSGS乱流モデル方程式による,今日までの成功事例の紹介と,失敗しないためのガイドラインについて誰にでも理解できるように解説する。 |
11:10~12:40 | 「ウェーブレット変換を用いた流れの多重スケール構造の抽出」 李鹿 輝(山形大学) 最近の二十年間,連続・離散ウェーブレット変換を用いた流れの解析の進歩はめざましいと言える。すでに,ウェーブレット変換は汎用の信号解析ツールとして,様々な流れに応用されている。この講義は,まずウェーブレット変換の基礎理論をわかりやすく説明する。そして,熱線とPIVで計測した各種の流れ場に対して,一次元及び二次元のウェーブレット変換によって多重スケールの解析方法や物理上の意味を解説する。最後に,三次元の流れ場について三次元ウェーブレット変換に基づいて多重スケール解析の事例を紹介する。 |
12:40~14:00 | 昼休み |
14:00~15:30 | 「流体機械の最適設計データマイニング」 下山 幸治(東北大学) 単なる「最適化」では,最適解を提示したところで作業が終了するように思えるが,設計作業としてはただ1つの解を提示しただけでは役に立たない。設計の各段階において,たくさんの設計要求の擦り合わせで様々なトレードオフが発生するため,多様な設計候補を常に用意しておかなければならない。本講義では,多目的最適化から得られる多様な最適解集合の「データマイニング」について説明する。これにより,様々な設計要求の擦り合わせパターンに対応した多様な設計候補を提示できるだけでなく,設計問題に潜在する新たな設計知識の発見にも役立つと期待される。さらに本講義では,航空機などの流体機械の設計への適用事例を紹介する。 |
15:45~17:15 | 「複雑内部流れ場の知的可視化と流動診断」 古川 雅人(九州大学) ターボ機械の内部流れ場のように非定常かつ三次元の複雑な流動現象が発現する流れ場の場合,CFDや計測結果から意味ある流動現象を的確に抽出および把握することは容易でない。本講義では,流体力学的に意味のある情報を抽出・表示する知的可視化技術として,渦構造の同定法および限界流線のトポロジー解析を概説するとともに,特異点理論に基づいた知的可視化技術が最も有用であることを示す。この知的可視化技術を適用することによって,圧縮機動翼列における翼端漏れ渦の崩壊および旋回失速の初生メカニズム,プロペラファンにおける翼端渦の挙動を解明した流動診断事例を紹介する。 |
18:00~20:00 | 懇親会(懇親会費は別。詳細は講習会申込者に別途連絡) |
【定 員】
60名程度。申込み先着順により定員になり次第締め切ります。
【聴講料】
会員21,000円,会員外31,000円,学生員/大学院生の会員(正員)* 6,000円,一般学生9, 000円。協賛団体会員の方も本会会員と同様の料金とさせて頂きます。
いずれも教材1冊分の代金を含みます。開催日の10日前までに聴講料が着金するようにお申し込み下さい。以降は定員に余裕がある場合当日受付をいたします〔*本講習会では大学院生の会員(正員)は,学生員の聴講料で参加できます〕。なお,ご入金後は取り消しのお申し込みがありましても聴講料は返金できませんのでご注意願います。
【教 材】
教材のみ希望の場合は,Web (http://www.jsme.or.jp/kousyu2.htm) からお申し込み下さい。1冊につき,会員2,000円,会員外4,000円にて頒布いたします(教材は終了後には販売しません)。
【申込方法】
申込者1名につき, 行事申込書 (http://www.jsme.or.jp/gyosan0.htm) に必要事項を記入の上,お申し込み頂くか, Web (http://www.jsme.or.jp/kousyu2.htm) からお申し込み下さい。
【問い合わせ先】
日本機械学会 流体工学部門事務担当:田中 克
Tel: 03-5360-3500/Fax: 03-5360-3508/E-mail:tanakajsme.or.jp